家づくり見える化コラム家づくり見える化コラム7回目
2009年12月27日
設計の見える化 品質ありきの家づくり
「東京家づくりの工務店の会」では各社の持ち回りで、定期的にそれぞれがコラムを書いていきます。
お宅で家を作ると坪単価はいくらですか?
お問い合わせの中で一番多いご質問です。
もちろん皆さまのご質問の目的は金額の目安を知りたいからです。
坪単価○○万×希望の面積=金額となり大よその目安となるのだろうと、たいていの方がお考えのようです。
ところがこの坪単価と言う言葉の表し方は何の基準もルールも無く、表示の方法は各社マチマチなのです。
有名タレントをCMに起用しているあるローコストメーカーは坪30万以下が大きなうりですが都内での実勢契約坪単価は50万を超えると言われています。
なぜそんな事になってしまうのでしょうか?
よく理解しないと場合により、坪単価は建築費の目安にはならないと言う事になります。
一般的に商品化、工業化、企画化がされている住宅メーカーでは
1.建築本体工事費
2.付帯工事費
3.諸経費
4.別途工事費(オプション)と言う4つの表示をしているところが多いようです。
これらの4つの費用の中で最低限は必要な物があり、ある程度は組み合わせないと
快適な暮らしが出来ない仕様、工事までとなります。
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本体工事費
家の建築に関する、仮設、基礎、構造、屋根、外壁、アルミサッシ、室内ドア、断熱材、床材や内装材、コンセント、スイッチなどの電気工事、キッチン、浴室、洗面台などの給排水設備機器工事など家全体のおおよそを現します。
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付帯工事は屋外給排水工事(道路から建物までの引込み)やガス工事などを
示します。
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諸費用は契約時の印紙代、確認申請料・検査料・設計料、瑕疵担保保険料、地鎮祭や上棟式を行う場合の祭典費などが内容です。
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別途工事費は既存建物の解体工事、門扉・塀・植栽などの外構工事、カーテン・ブラインド、照明器具、空調工事費、床暖房、地盤が悪い場合の基礎補強や地盤改良工事、造り付け家具などが内容です。
※その他には仮住まい、引っ越し費用、登記費用、住宅ローンの保証料・事務手数料、火災保険料などもあります。
別途工事費は御希望によっては不要な物も含まれますが、本体工事と付帯工事、
諸費用は、ほぼ不可欠です。
坪単価の話にもどれば、その本体工事だけを坪単価と言う事が多いので注意が必要です。
本体工事以外に満足出来る、暮らしを実現するには500万を超える金額になる事も実は
珍しくありません。
また面積の表示もまちまちです。一般的には建築基準法で定められた算定をした面積が
法床面積となりますが、それ以外のバルコニー、玄関ポーチ、吹抜け、屋根裏収納や
外部のデッキ工事なども含めて施工床面積と称して総工事費を大きな分母で割って安く
見せる方法もあります。
もちろん上記の部位も実際は施工をしているので面積に含める事は決して悪い事では
ありません。
ただし、各社マチマチの表示方法の中身を理解して総額(総事業費)を把握する事が大切です。
当会のメンバーは暮らせる金額、すぐに住める金額でのご提示を前提としています。
電話でのお問い合わせやメールでの質問では、きちんとした御説明が難しい事が多々あります。
来年も見学会やセミナーなどのイベントを活発に行う予定ですのでご参加を頂きまして
仕様や金額をお尋ね下さい。
株式会社田中工務店 代表取締役田中健司
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