家づくり見える化コラム家づくり見える化コラム13回目

2011年02月04日

「住宅医」を知っていますか? 

「東京家づくりの工務店の会」では各社の持ち回りで、定期的にそれぞれがコラムを書いていきます。

第13回目は東京家づくり工務店の会事務局、滝口泰弘が担当です。

 

 

 みなさん、「住宅医」をご存知ですか?
人間と同じように住まいの健康状態を診断し、不具合があれば適切な処置をする。これが「住宅医」の仕事です。

 

  今、日本には、約5,759万戸の住宅がありますが、既に世帯数を超えており、約13%の住宅が空き家となっています。戦後の「一世帯一住宅の実現」から 始まった日本の住宅政策は、その後、「一人一室」→「最低居住水準の確保」→「誘導居住水準の確保」と、生活水準の向上と共に「量から質へ」という転換が 行われてきましたが、人口減少も明らかである現在、国は既存住宅の長寿命化に力を入れ始めました。

 

  日本の住宅の平均寿命は30年です。英国の77年、米国の55年と比べても、はるかに短く、住宅を長く維持する技術の発展が、日本は特に遅れています。長 寿命住宅の先進国イギリスでは、建物の健康診断と補修や改修を行う技術が、「建築病理学」という体系的な学問として教えられ、修了者には国家資格も与えら れているのです。

 

 この「建築病理学」にヒントを得て始まったのが、岐阜県立森林文化アカデミーの「木造建築病理学講座」です。住宅を手掛けるプロを対象に、住宅の適切な健康診断と補修や改修ができる人材を、住宅医として育成するための教育プログラムです。また、関係者の有志により住宅医ネットワーク(私 もメンバーの一人です)も結成され、2009年から住宅医スクール(名古屋)を開講しました。この一連の活動は、東京家づくり工務店の会も採択されてい る、長期優良住宅先導事業(国土交通省の補助事業)としても認められています。今年は、住宅医スクール(東京)の開講も予定しています。

 

  「住宅医」とは、住まいのお医者さんです。まだ、公的な資格にはなっていませんが、今後日本の住宅にとって不可欠となる職能です。地域の工務店が集まって いる東京家づくり工務店の会でも、この「住宅医」と連携し、住宅を建てるだけではなく、住まいの町医者として、地域の住宅の健康診断や適切な補修・改修を 行い、地域の住まいを見守り続けていく準備を始めています。
 
東京家づくり工務店の会事務局 滝口泰弘

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