家づくり見える化コラム家づくり見える化コラム5回目

2009年08月21日

瑕疵担保履行法対応のための設計責任 

「東京家づくりの工務店の会」では2月から各社の持ち回りで、定期的にそれぞれがコラムを書いていきます。

第5回目も株式会社参創ハウテック清水康弘が担当です。

 

 

国土交通省は、瑕疵保険導入の円滑化を図るため、昨秋から保険法人ごとに微妙に異なっていた瑕疵保険の設計施工基準を7月1日から統一した。これで基準を満たせば陸屋根なども正式に許可され、住宅の外観意匠も極端に制約されることがなくなったと言える。

しかしながら、問題がすべて解決した訳ではない。瑕疵担保履行法には2回/年に元請け施工会社から行政への届け出義務があり、違反した場合には禁固刑などの 重い罰則規定があるため、元請け施工会社としての盤石な対応を余儀なくされている。つまり、ハウスメーカーや工務店が設計施工で供給する住宅であれば、瑕 疵保険の設計施工基準履行を建築基準法や都市条例遵守と同等の意識レベルをもって社内間でコミットメントできるが、意匠へのこだわりが強い建築家が設計す る住宅においては、設計者と施工者間で瑕疵担保履行法対応への意識レベルの乖離が大きく、設計施工基準に対する責任区分が不明確にならざるを得ない。一方 で斬新で先鋭的な意匠を追求する一部の建築家と、その対局で性能と品質を重点的に活動する施工サイドとの単なるお互いの立場の議論に留まらず、両者が積極 的に協働し、施工案件毎に解決してゆくべき問題であるのだ。

 

設計者からの一方的な「瑕疵担保責任の履行はあくまでも施工側の単独責任である」という認識だけでは、コンプライアンスを全うすることはできないのである。 

特 に木造住宅の場合は、意匠と構造、設備などの高さ、出入りなどのディテールを設計段階から練っておかなければ、施工段階での変更は手遅れになる。設計者に おいても建築基準法遵守と同じレベルで、瑕疵担保履行法の設計施工基準を熟知し、施工者と納まり等を充分協議した上で完結し、整合性のとれた図面の引き渡 しを励行することが望まれる。

以上のように、瑕疵担保履行法は、もともと量の上では、住宅供給の趨勢パターンに軸を置き施行された法律だけに、設計者と施工者の利害が異なる住宅建設を想定していない。

その点で、建築家が設計する住宅においても、両者が設計施工基準に対し同等の認識をもって対処すべき問題である。

 

  株式会社参創ハウテック 代表取締役社長 清水 康弘

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