家づくり見える化コラム家づくり見える化コラム4回目

2009年07月21日

長期優良住宅について思うこと〜その1 

「東京家づくりの工務店の会」では2月から各社の持ち回りで、定期的にそれぞれがコラムを書いていきます。

第4回目は株式会社参創ハウテック清水康弘が担当です。

 

  日本の政治が混迷を深めている。未だ出口が見えない世界同時不況の最中に政権争いに始終している国は、後進国特有の独裁政治と抵抗勢力による混乱や、中東 など宗教紛争が背景に潜む混迷を除き希有である。これだけどうしようもない政治しかしていないわが国が平和でいられるのも、日本人の高いレベルの見識と行 動によるものだと思う。
 自民党にしろ、民主党にしろ、もともと根っ子は同じなのだから、あとは潔癖で且つ強いリーダーシップの登場を待つしかないのだろうか?

 日本の住宅産業界においては、こんなどうしようもない国の政治家の置き土産がひとつだけある。それは6月4日から施行された長期優良住宅の促進に係る法律(長期優良住宅法)である。
  実はこの法律は福田康夫元首相が自民党の住宅土地税制会長を時代に唱えた200年住宅ビジョンが契機になっている。長持ちさせることに値する住宅を 「200年住宅」とプロパガンダする住宅会社が増殖し、消費者の立場からみると、何が良いのか悪いのか訳がわからなくなってしまっているのも、元を正せば この200年住宅ビジョンが発端になっている。
 現在では正式に法的な根拠も持つ言葉として、「長期優良住宅」という呼名に落ち着いているが、「良いものをつくり、きちんと手入れして、長く大切に使う」住宅の諸条件を満たしていることが前提となっている。

 では、今何故長持ちする住宅が必要なのか?
  まず、第一の理由として戦後日本人の平均寿命が飛躍的に長くなったこと。昭和35年に男性65歳、女性70歳だった平均寿命が平成17年では約45年の間 に男性79歳、女性85歳と世界一の長寿国になったにもかかわらず、日本の住宅寿命は30年で、イギリスの77年、アメリカの55年と比較して極端に短い ことによるものだ。
 また第二の理由は、地球温暖化防止対策として、低炭素社会の形成があげられる。スクラップ&ビルドを減らすことで、住宅一棟 当たり(約38坪)の建設時の炭素放出量が木造住宅で4,757kg-C、鉄骨プレハブが13,644kg-C、鉄筋コンクリート住宅に至っては 20,188kg-Cを減らすことが可能になる。むやみやたらに建て替えをするよりは、良い住宅を建てて、将来的には既存住宅の流通市場を整備したいとい う考えによるものだ。
 いずれにせよ、住宅の長寿命化を図ることで、高齢者への経済的負担を軽減できるだけでなく、産業廃棄物の削減を期待でき、地球に優しい暮らしと高齢社会における豊かな住生活を実現できることではメリットも大きいと思われる。

 


  株式会社参創ハウテック 代表取締役社長 清水 康弘

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